マグロとともにある塩釜港・塩釜魚市場

宮城県塩釜市にある塩釜港は全国でも有数のマグロ水揚げ量を誇る港です。

塩釜は生鮮まぐろの水揚げ基地として全国的に知られており、例年5月から12月にかけて、本まぐろ、めばち、びんなが、きはだなど、さまざまな種類のマグロが大量に水揚げされます。

特に⽣鮮めばちマグロの⽔揚げ量は⽇本⼀を誇り「三陸塩竈ひがしもの」としてブランド化され売り出されるものもあります。


笹原製函所では、創業当時からマグロ箱の供給を通じて、塩釜産⾷材の流通に携わっております。

塩釜とマグロの水揚げ

SHIOGAMA & MAGURO

塩釜で⽔揚げされるマグロは⽣のまま塩釜港に⽔揚げされます。

そのため塩釜のマグロは、一切冷凍しない、鮮度も質も良い生のマグロを味わうことができます。

今現在、塩釜港は全国有数の水揚げ量を誇るマグロ漁港として有名ですが、昔から魚介類の水揚げが盛んな地域で港は活気にあふれています。

塩釜港の水産業の歴史は古く、奈良時代にまで遡り、文献には「多賀城の隣接港で栄えた」という記録があったりします。

江戸時代には仙台藩四代藩主・伊達綱村が保護政策「貞享(じょうきょう)の特令」等によって、塩釜港は商船や漁船でにぎわい、塩釜港の海産物は仙台・肴町の魚問屋に運ばれ、福島・相馬・会津・米沢等に陸送されたそうです。

明治時代に衰退した時期もありましたが、昭和初期には塩釜港の整備が進んだこともあり、1929年(昭和4年)に塩釜町魚市場が開設され、再び活気を取り戻します。

昭和30年代後半からは、「北転船(ほくてんせん)」とよばれる北洋海域で漁を行う大型底引き網漁船の基地としても栄えました。

さらに1965年(昭和40年)には新たな魚市場が建設され、水揚げ量もピークとなっていました。

塩釜港・塩釜魚市場がマグロの水揚げ漁港としての転換期になったのは昭和50年代ごろ。二百海里漁業専管水域の影響で北転船の操業が縮小され水揚げが減少しました。この時に生鮮マグロに特化した港およびブランド化へと動き出します。


魚市場でマグロに携わる人達

MAGURO

マグロが水揚げされて出荷されるまでには、いくつもの工程があります。

多い時は1⽇で100t以上の⽣鮮マグロが⽔揚げされる⿂市場。

⽔揚げから 各地へと出荷されるまでの僅かな時間でありながら、多くの⼈たちがそれぞれの役割でマグロに関わっています。

朝早く ⽔揚げされたマグロは、 ⿂市場職員によって エラや内臓を抜かれて場内に並べられます。


マグロを競り落とすのは「仲買⼈(なかがいにん)」と呼ばれる⽅たち。⽬利きのプロです。


「箱屋」は⼀つ⼀つ⿂体や ⽬⽅(重量) を⾒ながら、サイズの⾒合う箱を準備し、箱詰めされる場所まで⿂箱を 運びます。

マグロを箱詰めするのが 「荷役(にやく)」と呼ばれる⽅たち。
しっぽ切り 、縄かけ、箱詰め、氷⼊れの作業を⼿早く⾏い、処理していきます。

出荷準備が完了したマグロから次々とトラックへ積まれ全国各地へ輸送されていきます。

当社・笹原製函所はマグロ箱の供給を通じて塩竈で⽔揚げされたマグロの流通に携わっております。

塩釜式マグロ箱

SHIOGAMA & MAGURO

大型マグロ・高級マグロが木箱に収められ市場に出荷されていく映像をテレビで見かけたり、イメージにある人が多いかと思います。

小さいマグロは発泡スチロール箱に入りますが、70kg以上の⼤型マグロを出荷する場合、⽊箱に⼊れて運ばれていきます。

マグロ木箱の作りや規格サイズの種類は、それぞれの港のニーズに合わせて進化してきました。

一般的に魚を箱に入れる際には、魚を寝かせた状態で収められていますが、塩釜のマグロ木箱は、背中を下に腹を上にした状態で収められるよう背が高くなっています。

魚は鮮度と品質が命、膨大な量のまぐろを取り扱う塩釜魚市場では、迅速かつ適切にマグロを荷造りし出荷しなければなりません。

他の港では⼆⼈がかりで⽊箱に⼊れる⼤型マグロも、塩釜では1⼈の⼒で⽊箱に納めるために⿂を寝かせたままの状態で箱に滑り込ませます 。


木箱に滑り込ませたマグロは、腹が上に向いた状態で納まるため、木箱の背の高さも必要になるということです。

このように木箱の形は、塩釜魚市場のスタイルに合わせて形成されていきました。

マグロの入れ方一つにもこだわりがあるからこそ、「塩釜式マグロ箱」ともいえる木箱は今の時代でも、塩釜のマグロとともに欠かせないものの一つになっています。

笹原製函所では創業以来、塩釜のマグロと取引先様の要望に合わせたマグロ箱を量産しております。

塩釜の周辺観光地


鹽竈神社(塩竈神社)

陸奥国一之宮として、起源は奈良時代以前ともいわれるほど古から敬われてきた神社。明治時代には志波彦神社が境内に遷座しました。東北開拓の守護神でもあり、地元の人達からは「しおがまさま」と親しまれています。国の天然記念物・塩竈桜も花見スポットでもあります。

塩釜仲卸市場

日本有数の生マグロの水揚げを誇る塩釜港。新鮮な魚介類と豊富な食材が勢ぞろいしている塩釜仲卸市場では、販売店のほかにもお食事処も併設。海産物を自由に買ってマイ海鮮丼を作ったり、焼炉で自由に焼いて食べたりすることもできます。日曜朝市や季節の魚イベントも不定期で開催しています。

みなとオアシス・マリンゲート塩釜

「マリンゲート塩釜」は「塩釜港旅客ターミナル」の愛称です。塩竈と松島を結ぶ観光遊覧船や、塩竈の離島を結ぶ市営汽船の発着所となっています。館内には、塩竈の特産品や焼きたての笹かまぼこ等を取り扱うお土産店、シーフードレストラン、寿司、海鮮丼等の飲食店があります。